☆ 批判を依頼に替える ☆  ―子どものやる気を引き出す!親のアプローチ @仲町台の個別指導塾

新年度が始まり、みなさんのお子さんは順調に過ごしていらっしゃいますか?
「進学したのに・・・」、「進級したのに・・・」、以前と変わらないとか、
悪化していると親が感じれば、つい子どもを批判してしまうものです。

しかし、批判するとは、冷静さを欠いています。なぜなら、他者を落とし込
んで自分が優位であることを示しているからです。言うことを聞かない子ど
もに批判して何が起きるでしょうか。

まず、親子関係が悪くなります。批判されて喜ぶ子どもも大人もいません。
子どもも大人も批判された人と心理的な距離をとるようになります。親子関
係がギクシャクすることは想像できます。「最近、子どもがあまり話をしない」、
「一緒にいる時間を避ける」と感じられるようになったら要注意です。

また、批判は子どもの勇気をくじきます。「どうせ、自分なんて・・・」、
「私の気持なんてわかってもらえないのよね」という言葉が出てくれば、
かなり勇気くじきが進んでいると考えられます。

そして、批判では子どもが適切な行動を学べません。子どもの「やればいい
んでしょ!やれば・・・」という発言は、適切な行動を学べていないことを
示唆します。

親の子どもに対する批判は、子どもと親の間で縦の関係ができます。親は
優位に立っていると感じるかもしれませんし、批判された子どもは、「期待
通りにできていない」、「自分には価値がない」と感じ、静かに引き下がり
自分の世界にこもるか、親に反抗したり、悪態をついて、縦の関係(自分が
下位にいること)を解消しようとするかもしれません。

それでは、批判をしないで、どう子どもに親の意思を伝えたらいのでしょうか。

まずは、環境を把握し、必要に応じて子どもが親の話を聞ける環境を創るこ
とです。

今、親が子どもの行動について問題だと感じていることは、大抵、子ども自
身の問題です。子ども自身の問題とは、子どもの課題だということです。
最終的には、子どもが責任を引き受けるべきものであって、親がその責任を
引き受けられるものではない、ということです。

人間は、誰しも最終的な責任を自分が取らなければならないこと、結局、人
に代わってもらえないことに対して、仮に親だとしても他人から、とやかく
言われたくないものです。

そこで、子どもが親の話を聞ける状態か、今、どうしても伝えなければいけ
ない内容か見極める必要があります。その上で、今、伝える必要があると判
断したらなら、子どもに一言依頼をして許可を得るのです。「今、○○につ
いて、話したいんだけど・・・」と、子どもが、「なあに」とか「いいよ」
と答えたなら、話ができる環境が整いました。

次に適切な行動を依頼することです。

とかく親は、子どもの行動を見て、「これは問題だ」と親の基準で判断しま
す。「今、子どもが勉強していないのは問題だ!」、「部屋が整理整頓して
いないのは、だらしがない!」と・・・。

環境が整った以上、親が問題だと感じることに改善を依頼することはできま
す。しかし、「~がだめだ」、「~しなさい」ではなく、「部屋を片付けて
欲しい」とか「私は、今、あなたが勉強すべきだと思う」と明確に伝えるこ
とです。問題を問題として、批判するのではなく、適切な行動を依頼するの
です。

親が子どもに依頼するのはおかしいと思ったなら、状況は今までと変わりま
せん。状況を変えたいのなら、しばらく、新しい行動を試してください。

「依頼したら、子どもは必ず親の言うことを聞くだろうか」とか「言うこと
を聞かなかったらどうしたらいいか」と思ったなら、今日が子どもとの最終
日かどうか考えてみて下さい。まだまだチャンスはたくさんあります。

大人だって、他人(自分以外の人)から、何か依頼されても、それぞれ事情
があってすぐには他人の期待に応えられないこともあることありますよね。
子どもだけが即、「親の依頼を受けなければならない」というのは理不尽で
子どもは納得できないことも想像できます。

連休を過ぎるとあっという間に時間が流れてしまいます。
まずは、今月の内に、好ましい親子関係を維持し、子どもに対する期待や
願いを伝えておきましょう。