☆ 暗黙の理想を意識する! ☆子どものやる気を引き出す!親のアプローチ®@仲町台の個別指導塾

** 今週のテーマ **********************

☆ 暗黙の理想を意識する! ☆

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◇私たち親は、子どもに素晴らしい人間になってもらいたいと思ってい
ますが、その思いが強ければ強いほど、裏目に出る場合が多いものです。
子どもに理想を求めすぎて、子どものセルフ・エスティーム(自己重要
感)を低下させてしまうことが多いのです。

◇「こうなってほしい」、「ああなってほしい」、「こういう行動を取
るべきだ」等々、色々な要求を子どもにするので、子どもも困ってしま
うのです。そして親は、子どもに対する期待とは裏腹に、子どもが出来
ていないことがあるとついつい叱ってしまって、彼らの努力を承認する
ことがなかなか出来ないものです。

◇親が子どもに求める理想を、私は「暗黙の理想」と呼んでいるのです
が、この暗黙の理想を説明しておきます。たとえば、ご自身の子どもが
中学生だとしてください。中学校の定期テスト(中間テスト・期末テス
ト)の1週間前にどのくらいの時間、子どもに家庭で勉強してほしいで
しょうか。

◇講演会などで、お母さん方に聞くと、2~3時間と答える方が圧倒的
に多いのです。もし仮に、3時間勉強をしてほしいと思っているとすれ
ば、この3時間がお母さんの基準となって、子どもの勉強時間を評価す
ることになります。これが「暗黙の理想」です。

◇そういう評価基準が、暗黙の理想なんですが、子どもが30分勉強し
たとしても、3時間(=180分)を基準とすれば、全然勉強していな
いことになるのです。

◇30分でも勉強したのですから、子どもとしては、このことを認めて
ほしいところですが、しかし、親が暗黙の理想に無自覚だと、それが認
め難いものになるのです。

お母さん:テスト前なのに勉強しないの?

A君:やったよ。

お母さん:えっ!?何分?

A君:30分!

お母さん:何言ってるの?30分じゃ全然やったことにはならないわ!
もっとやりなさいよ。

A君:ええっ!?分かったよ。やるよ。

(30分経過)

お母さん:もう終わったの?

A君:えっ?!だって1時間もやったよ。

お母さん:何言ってるの?もう少しやりなさいよ。もう少し!

A君:なんで?!もういいよ。

お母さん:もう少しやりなさいよ。ここまでやったんだから。

(30分経過)

A君:終わった!もういいよね。

お母さん:切りが悪いわね。もうちょっとやったら。後30分ぐらい!

A君:なんで?もういいよ。

お母さん:何言ってるのよ。もうちょっとやれば、2時間やったことになるじゃない。
頑張りなさいよ。

A君:分かったよ。

(30分経過)

A君:終わったよ!もういいよ。休憩だ!

お母さん:いつもこのぐらいやりなさいよ。

◇結局A君は2時間勉強を頑張るのですが、暗黙の理想がお母さんには
あるので、A君の努力は、お母さんの暗黙の理想に到達しない限り、承
認されないのです。

◇ですから、「頑張ったね」とは、なかなか言って子どもはもらえない
のです。暗黙の理想が高いと勉強に対する動機付けは、なかなか行われ
難くなってしまうということです。

◇それにしても会話の中のA君は、我慢強く勉強を頑張りました。2時
間勉強してもお母さんは、A君の努力を認める発言がなかった。これが、
暗黙の理想がいけないところなのです。「頑張ったね!」の一言がかけ
られるようにしたいものです。

『暗黙の理想を意識する!』