☆ 褒めてだめなら、気持ちを伝えてみよう! ☆―子どものやる気を引き出す!親のアプローチ @仲町台の個別指導塾
「褒めても全然、子どもがうれしそうじゃないし、変化がないんです」
という相談を、あるお母さんから受けました。
昔から、褒めて育てろ!なんていう考え方がありますから、褒めることで
子どもがその気になって行動や態度が変わるんじゃないかと期待するのも
無理ありません。
実は、褒めるには色々な解釈があります。
先日、友人に、
私:「私は褒められても全然うれしくない」
友人:「そんなことないでしょう」
私:「本当だよ。『君は頭がいいとか、凄い』と言われても、『馬鹿にして
いるのか』と感じても、嬉しい気持ちにはなれないね。それより、
『君と話していると楽しい』なんて言われる方が嬉しいね」
友人:「それ、褒められてるじゃん」
私:「そうか。これも褒められている内に入るんだ」
このように、私と友人では、褒めることの解釈が違っていたのです。
会話文でお分かりのように、私にとって褒めるとは、自分より立場の低
いものに向って評価する態度という解釈です。友人は、肯定的に言われ
ること全体を褒めると解釈しているのです。
さて、話を元に戻しましょう。
相談して下さったお母さんからは、子どもを喜ばせたい、そして、子
どもの行動を変えたいという気持が想像できます。しかし、子どもは、
「そんな手には乗らないよ!」と言っているかもしれません。親が自
分を思う通りにコントロールしようとする意図を見ぬいて、それを良
しとしなければ、子どもが行動を変えることはないのです。
このお母さんは、具体的に「宿題をやってえらいね」とか、「お手伝い
ができるってえらいね」という言葉をかけていたのです。
この場合、子ども自身が宿題はやらなくちゃいけないから仕方なくやって
いるだけだとしたら、褒められることに違和感を覚えても嬉しいとは感じ
ない可能性もあるのです。
子どもが褒められる価値があると感じていることに対して、お母さんから
褒められたとしたら、結果は違っていたかもしれません。
そこで、こんなお母さんが「褒めても効果がない」と感じたときには、
もっと効果的なアプローチがあります。
「あなたが自分から宿題をやっている姿を見れて、お母さんうれしいわ」
とか、「あなたがお手伝いをしているから助かったわ」と言ってみるのです。
もちろん、コントロールしよう。評価をしようとするのではなく、お母さ
んの嬉しい気持ちをそのまま言葉にするのです。
お母さんは、自分の気持ちを伝えているだけですから、子どもがどんな
反応をしても気になりません。子どもにとっても、お母さんが勝手に感じ
ていることを言っているだけなのでコントロールされているような抵抗感
がないのです。
それよりも、自分の行動がお母さん(他の人)に役立っているという貢献
感が子どもを適切な行動に駆り立てるものです。
是非、コントロールしようと褒めるのではなく、嬉しい気持ちを言葉にして
伝えてみて下さい。お母さんの自然な肯定的アプローチは子どもの心を動か
すはずです。
子どもの良い行動は、親に評価される行動ではなく、親も含めて他者が喜ぶ
行動だということを実体験させてあげてください。
メールマガジン【子どものやる気を引き出す!親のアプローチ】より
作者:井上郁夫(心理カウンセラー・学習スタジオクロスロード講師)
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